昨日の続き。

「世の中に不満があるなら自分を変えろ 
 それがイヤなら、耳と眼を閉じ、口をつぐんで孤独に暮らせ」

しかしながら、自分が変わるということと、世界が変わるということはまた別の話である。いわゆる自己啓発本が好きな「自分が変われば世界が変わる☆キラッ」というのはまったく論理の飛躍で、自分が変わろうが変わるまいが、それとは関係なく世界はいままでどおりの姿で存在し続ける。
たとえば、今僕が心を入れ替えて「よし、明日からはエリートサラリーマンになるべ!いや、この瞬間、おれはスーパーサイヤ人級のサラリーマンだべ!」と思っても仕事場の机の上につまれた書類や机の中の明細書類が一気に消えてなくなるわけではない。懸案事項が一気に可決するわけでもない。僕がどんなに変わったとしても、それと僕に対する外部評価はまた別の話だ。いくら僕が僕自身に対して「俺は変わった!」と思っても、それは外部にとっては全然関係なかったりする。僕自身が変わったかどうか、それを決める権利は僕自身にはあまりない。決定的なところは他者に委ねられている。

でも、変わろうとすること自体はわるくないのかもしれない。耳と眼を閉じ、口をつぐんで孤独に暮らすよりは、少なくとも0.01ミリぐらいましかもだと信じたい。