リヒャルト・シュトラウスの作品に『四つの最後の歌』という暴力的なまでに耽美な曲がある。

多分、このCDに収められているカラヤンヤノヴィッツによる演奏が代表的なもののひとつであろう。

初めて聞いたとき、歌っている人の声もすごいし、オーケストラの音がキラキラしていて、なんだかクラシック音楽って暗いんだよなと思っていた僕には、ほんとに夕日の中にいる気がして、かなりのカルチャー・ショックだった。
もちろんそれはまさに70年代カラヤンベルリン・フィルに負うところも大きいかもしれないが、それも含めてすごく大好きなCDだ。

そして、第3曲「眠りにつこうとして」のピアノ伴奏版がこのCDに収められている。

The Glenn Gould Edition HINDERMITH: DAS MARIENLEBEN・KRENEK・STRAUSS: LIEDER

The Glenn Gould Edition HINDERMITH: DAS MARIENLEBEN・KRENEK・STRAUSS: LIEDER

もちろん、録音なのだから公開を前提に演奏されたものなのだろうけど、ものすごくプライヴェートな感情に満ちている気がする。だからといって激しく没入して自分が見えなくなるのではなくて、だからこそはっきりと見えていて、静けさとともにある。