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スマトラ地震の津波は、地元の人も観光客も、お金持ちも、そうじゃない人も、そんなこと関係なく無差別に飲み込んでしまった。そのニュース映像や、ニュースのたびに増えていく被災者の数は、あまりに圧倒的な死とカタストロフをまざまざと見せつけていた。
スマトラ地震の被災者の遺体が外国人も含めてすべて火葬されるというニュースを読んだとき、たくさんの死体が一箇所に集められて火をつけられるというイメージがこれまでにないほどにリアルなものとして迫ってきて、そのイメージにちょっとウーンとうなされてしまった。
その後、火葬ではなく土葬へと変更されたようだが、猛暑や疫病発生を考慮してのことであろうし、もし変更されることなく火葬が行われていたとしても、仕方がないことだったのかもしれない。
もちろん死者は帰ってはこない。でも、自分にとって大事な人の、その死が、ほかでもないその人の死であり、私にとっての死であるということが顧みられることなく、大勢の人の中の、その中のひとつの死にすぎないような扱いをされたらと考えるだけで、今にも覆いかぶさってきそうな圧倒的な死の影に怯え、身体の芯から凍えそうになる。
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モリムール(morimur[羅])=われら死す