我が名は青春のエッセイドラゴン! (角川文庫)作者: 大槻ケンヂ出版社/メーカー: 角川書店発売日: 2004/12メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (48件) を見る

ページをめくるごとに「ウ〜ム」と思わず唸ってしまう。
この人の文章はものすごく可笑しいんだけど、どこか悲しい。現実の悲しさとか情けなさから絶対に目を背けない。そして、それでいてさりげなくスルッと適切な距離をとりつつものごとを見ている。

会社勤めをしていない大人の日々は、まさに少年の頃に想像した郵便配達的生活だ。起きる時間から今日すべき仕事、遊び、メシ食う時間寝る時間、果ては鼻毛を抜く時間までを、自分の意志で決めるわけだ。自転車に乗るようなスピードで生きたければそうすればよいし、マッハで駆け抜けたければそうすればよい。
気ままだ。楽しいぜ。自由万歳!
と思いきや、これが意外にも、結構やっかいだったりするのだ。
決定権が自分にある。ということは逆に、何をするにも自分を律していかなければならない、ということだ。これはやってみるとけっこうツライ。
     配達されない何通かの手紙/『わが名は青春のエッセイドラゴン!』所収 より


『ムー』世代としては、オカルトや超常現象について話しているときの大槻ケンヂが好きだ。

英国には巨大猫モギィーが、ニュージーランドではカバゴンが、また、学研の『世界の未確認動物―謎の怪物たち』によれば、ブラジルには巨大ミミズのミニョン、アフリカのコンゴには海竜モケレ・ムベンベ、カナダにはオゴポゴが密かに棲息しているようだ。
世界はいまだに謎が一杯だ。それにしてもU・M・A*1ってなんでみんなジャーマン・プログレ・バンドみたいな名前なのだろう。
            日本以外全部沈没/『わが名は青春のエッセイドラゴン!』所収 より

巨大猫モギィー・・・。

*1:Unidentified Mysterious Animal 未確認動物