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夜道を自転車で走る。
目の前の十字路をパトカーが左に曲がっていく。でも曲がったところでパトカーは止まっている。中に乗っている警察官は僕に対して背中を向けているけど明らかに僕のほうを窺っている。
なんだかやだなぁと思いつつ、でも不審に思われないように堂々としたようすで、でも内心ビクビクしながらパトカーの後ろを自転車で通り過ぎる。
・ ・・という夢を見たが、おっかなびっくり自転車に乗っている夢というのは「自分の能力に対する自信のなさや失敗への恐怖」を表しているらしい。
夢について書かれたものといえば、僕にとってはつげ義春の夢日記がやっぱりいちばん印象深い。
小学生の頃読んで理由はよく分からないが妙に心に残った一節があったのだが、数年前に札幌の古本屋でその一節がのった本と再会。思わず買ってしまった。
昭和五〇年五月七日
・・・
皆と芝生に車座になる。土の中から鼠大の狸がチョロチョロ顔を出しうるさいので手で追い払う。狸はアルマジロに化け、玉虫のように丸くなり、土中の穴をころげて逃げる。
夢日記/『つげ義春とぼく』ISBN:4794959052