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いつも走る町営グラウンドへいくと、高校生ぐらいだけど部活っぽくない女の子たちがテニスコートでテニスをしていた。僕が準備体操をしているあいだ、彼女らはテニスコートの隅の日陰でおしゃべり。僕がグラウンドを三周したころにやっとサーブの練習を始めた。
でも僕が走り始めて30分ぐらい経ったとき、彼女らはもうテニスコートを出て、藤棚の下のベンチでやっぱりおしゃべりをしていた。結局、僕が1時間ほど走って、筋トレをして、じゃあ帰ろうかなという頃も、やっぱりみんなでおしゃべりしていた。ちょっと聞こえた話からすると、ぜったい好きな人の話をしていたと思う。
なんか、夏休みだなー。
きのう、山を下って、大好きなラーメン屋「彦しゃん」(大好きな焼肉屋と同名)でちょっと遅い昼食(ラーメンと炒飯)を食べて、温泉に入っていくことにした。
地図をみて、「せっかくだから行ったことのないところにいこう」ということになって町はずれのお風呂にいった。しかし、見た目がちょっと渋すぎ。「大丈夫かなー?」とちょっと不安になったが、案の定、地元民度高すぎ。屋根も壁もトタンだし。しかも先に入ってるおじいさん、体に絵がかいてあるし。
うまく言葉では言い表せないが、いわゆる温泉にしては「荒くれ度」が高いお風呂だった。お風呂で会った人たちの「誰だこいつ?」視線もかなり強い。なんだか落ち着かなくて、そそくさと出てしまった。
同じ町内でも、ぜんぜん温泉の感じがちがう。それは「泉質」とかじゃなくて、土地の匂いとか、体温のようなものだ。ここでは僕らのような「よそ者」を容易には受け入れないバリアの存在を感じた。
でも「もっとオープンになるべきじゃないか!?」とは思わない。こういうものはこういうかたちで、すこし閉鎖的な感じでちょうど良いバランスが取れている気がする。あのトタン屋根の温泉が「きれいな、一見さんでも入りやすい」という名目で取り壊されてきれいな温泉施設になるのは絶対におかしい。
そりゃ、体に絵が描いてあるおじいさんは怖かったけど、これはこれでありなんじゃないかな、と思ったお風呂だった。たぶんもう行かないだろうけど。