本
- 作者: オットーフリードリック,Otto Friedrich,宮澤淳一
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2002/04/01
- メディア: 単行本
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50年という人生は、一概に長いとも、短いともいえないだろうが、多く残された計画(指揮者としての活動、カラヤンとの共演、しかもベルリンとトロントという別々の場所でそれぞれがオケ・パート、ピアノ・パートを録音して編集するという当時としては画期的なプランなど)が、どこまでが本気か、あるいは、グールド流のパロディにすぎなのかはわからないが、もっと長く生きていたら、どんな演奏をして、どんな人間になっていたのだろう。
孤独(solitude)と交流(communication)は一見、正反対のようだが、グールドがやろうとしてきたことは、実はこの二つが、場合によっては同義語でもありうることを証明しようとすることだったのではないか。