ここ数日、ひたすら車を運転していた。今日だけでも330キロ走った。
きのうも妻が学生時代の友人たちとご飯を食べるというので、山を降りて、妻とぼっちゃんを店で降ろして、僕は一人で昔よく通っていたとんかつ屋へ。店の道向かいの大きなボーリング場(ゲーセン?)が無くなってサラ地になっていてびっくりした。

とんかつ屋でご飯をおかわりしたら苦しくなった。美味しかったけど・・・。

その足でブック・オフへ。9時ぐらいまで店内を物色。なかなか大きなブックオフだったので未消化だが、いまいち、100円均一コーナーが寂しい。三島由紀夫澁澤龍彦の品揃えもいまいちだった。中古CDのクラシックコーナーも、やはりいまいち。
まだ新しい店舗なのでこなれていないのかもしれない。

結局、妻から頼まれた池波正太郎剣客商売シリーズを2冊と、仕掛人・藤枝梅安を一冊購入。


このところ、コーヒー豆を切らせていてもっぱらインスタント・コーヒーを飲んでいる。ネスカフェゴールドブレンドだ。

今となっては・・・まぁ、インスタントコーヒーの中ではマシな方だと思うが・・・やはり・・・何だな。

でも、子どもの頃、この金色のフタを開けた瞬間にフワッと漂うこの香りこそが「ザ・コーヒー」だったわけで、そもそも、コーヒーというのは粉をお湯で溶かすものでしかなかった。まさか豆を細かく挽いたものにお湯を注いで抽出したものだなんて思いもよらなかった。たとえ、ラベルに豆の絵が描かれていたとしても。

これも子どもの頃の記憶なのだろうか、インスタント・コーヒーの瓶のフタを開けたときの香りと一緒に、白い砂糖のイメージが立ち上がる。

子どもの頃、訪ねていった先で出された苦いコーヒーに2個も3個も角砂糖を入れて、それでもぜんぜん甘くならず、苦いままなので不思議に思っていたら、「かき混ぜればいいのでは?」とはたと思いついて実際にかき回すと、底の方にたまっていた大量の砂糖が一気に溶けて、コーヒーというよりも「茶色い濃厚砂糖水」になってしまった。

自分で作ったものなら捨ててしまっても良かったのだが、人から出されたものなので、子供心に残すことにも抵抗があって(というより「砂糖を入れてかき混ぜるということに気づかなかった」ということに気づかれたくなくて)、証拠隠滅とばかりに一滴残らず飲み干した。
甘すぎて気持ち悪くなった。しかし、あとで考えれば、他人がいちいち「こいつ、どんだけコーヒーを甘くしやがったんだ」とチェックすることってそうないことなので、残しても良かったのだ。まだそこまで頭がまわらない子どもだった。

それはともかく、ネスカフェ・ゴールド・ブレンドが世界で一番美味しいコーヒーだった時代というものが存在していたのだ。

過ぎ去ってしまった時代ではあるけれども、そんな時代が確かに存在していたのだ。