阿佐田哲也麻雀放浪記 青春編』読了。
麻雀放浪記(一) 青春編 (角川文庫)
何人もの作家やクリエイターたちが推薦する本で、その存在はずっと昔から知っていたが「オレ、麻雀のことぜんぜんわかんないし・・・」とずっとパスしていてた。しかし先日ブックオフの100均コーナーにあるのを見かけて「どうせ100円だし・・・」と思い購入。
後悔した。これほどの作品を「麻雀がわからないから」という理由だけで避けてきた自分に腹が立った。
最後の方は感極まるような・・・。もちろん、麻雀のシーンはぜんぜん意味が分からない。ポンをして牌をツモったが、上家が牌をチーしてガメた、とか本当に意味が分からないけれども、そんなことはささいなことだ。麻雀という食うか食われるかの世界に命をかけた男たちの物語に没入すること、それこそがこの本を読むことの意味だ。一青年のビルドゥング・ロマンであり、男と女の物語であり、非情の勝負の世界の物語であり、ピカレスク・ロマンであり・・・とにかく重厚で、でもそれでいて優しい。ほんとうに、「麻雀がわからない」という理由だけでこの小説を避けているとしたら、ほんとうに勿体無いと思う。