学会発表も無事終了。自分の業界では、どうしても発表と言うと「原稿をそのまま読む」というパターンが多くなってしまうのだが、いいかげんそれもうっとうしくなって、一応原稿用紙25枚弱ぐらいのものを用意して、それからあんまり外れないように、かつ、足りないところをその場の勢いで補いながら、なるべく「朗読」っぽくならないように発表するというスタイルをとってみた。

発表しながら会場を観察すると、あきらかに「朗読型」よりもみんなの喰らい付き方が違う。みんなガンガン線を引いたり、書き込みしたりしている。たしかに「朗読型」って、別に話を聴いてなくても、ペーパー読めばいいんだから、オーディエンスに「発表を聴く」という姿勢をとらせることが難しいのではないか。

・・・とはいえ、発表が優れているかどうかはまた別の問題。あまりにツッコミどころ満載なおかげで、質疑応答も盛り上がり(泣)、5分オーバーで終了。1時間近く喋り続けたおかげで喉も口の中もカラカラ。

今回の発表は、まぁ、内容はちょっと大雑把しぎたかもしれないけど、仕事の合間をぬいながら、時間が無い中で準備したわりには、自分的にも「まぁ、いいか」という感じだ。
もちろん、質疑応答では厳しい質問も出たし、ほとんど発表それ自体の意味がひっくり返って霧散してしまいそうなほど根本的な質問もあった。それはそうだろう。僕の仕事が忙しいことは何の言い訳にもならない。会場にいる人達には、僕の仕事が忙しいこととか、休みが少ないこととかは関係ない。

でも、それらはほとんど自分が求めていたシチュエーションなわけで、逆に、質問も何も出ない発表というのは、自分にも経験があるけど、ほんとうに虚しく悲しくて恐ろしい。「質問すら出ない」ような発表だったということだ。

でも、ボコボコにされて逆にすがすがしく感じるようになったは、今のような仕事で忙しい生活を送るようになったからかもしれない。
以前は「これ(研究生活)しかない!!」という気持ちが強すぎて、視野も狭くなって、発表でちょっとでも厳しい質問が出たらグッタリしていた。

今の仕事を始めて、ほんとうにいろんなことがあった。その中で「発表でボコボコにされたぐらいでガクッとなっていても仕方が無い」と思えるようになった。発表でボコボコにされて落ち込んでる暇があったら次の本を読んでいるほうがいい。どうせ発表なんてデモンストレーションみたいなもんで、ペーパーとして紀要なり会誌に載せるときにしっかり書き込めばいいのだ。

以前の僕からはこんな発想でてこなかったろうが、やはり発表も回を重ねれば、すこしは慣れてくるということか。
あと、いままでは「どんな質問がきても跳ね返す!」的に準備した結果、「無意味にガードを固めてそのガードの中で自分が身動き取れなくなる」的な状況が多かったと思う。
あえて今回はそのあたりをゆるくして、エサをまきながら歩いた感じ。エサに沿ってみんなが僕のあとをついてくる。あとは自由に食べていただいて・・・という感じだ。

ところで発表の後、ノンアルコールで懇親会。車で11時ごろ帰宅。
次の日はイベント準備のため8時前に出勤。テントを張ったり、椅子や机を並べて祭りの準備。背中に「祭」と書かれたハッピを着て、抽選会場で当たりが出る度に鐘を鳴らして「おめでとうございま〜す!商品券で〜す!」と連呼。