「私が『私』というとき、それは厳密に私に帰属するような『私』ではなく、私から発せられた言葉のすべてが私の内面に還流するわけではなく、そこになにがしか、帰属したり還流したりすることのない残滓があって、それをこそ、私は『私』と呼ぶであろう。」(三島由紀夫『太陽と鉄』より)


太陽と鉄 (中公文庫)

太陽と鉄 (中公文庫)