ついに本ができた。
先日、出版社からできあがったばかりの本が一冊、送ってきた。


といっても、もちろん僕の単著なんかではなく(そんな力は到底まだない)、何人かで共訳した翻訳本だ。
ずいぶんと時間がかかったが、自分の文章が本という紙媒体の上に刻み込まれているというのは、まだ何だか現実味がない。

メールの履歴を調べてみると、翻訳をしてみないかという話がきたのは2003年の5月。
ということは、本ができあがるまでに一年半以上かかったことになる。それが長いのか短いのかはよくわからない。


自分の担当部分を訳し終えたのが2003年の10月。そして集まった試訳はシャッフルされ、自分以外の人の訳が送られてきて、それをまた各自でチェック。穏やかにツッコミをいれつつ、その年は暮れていった。

年が明けて2004年。2月から4月にかけて再び自分の原稿をチェック。一緒に掲載する訳注や、日本語で読める参考文献などのリストも同時に作成していく。

他の用事の準備など、精神的にちょっと追い込まれたりして翻訳のことすら忘れていた7月ごろ、ゲラが送られてくる。ゲラをチェック。


「ゲラをチェック」って、なんか大人っぽい。


そして12月にやっと本が完成。入門書的な本ということでソフトカバーの、新書っぽいものを予想していたが、現物はハードカバーの、かなり大きくて立派なものだったのですこしビビる。


ふつう、入門書を読もうかって人はまず薄くて、まあ手ごろな値段の本を手に取るはずで、まずこんな大きい本は(値段も2800円もするし)手に取らないだろう、と即座に心の中でツッこんでしまったが、返す刀でそんな自分にドロップキック!