如何にしてスーさんは白くなったのか。

僕が初めてスーさんに出会ったのはさらにそれから数年後の1999年か2000年だったと思う。
初めて妻の実家を訪れたとき、スーさんは外で喧嘩をしていた。
「ウ〜」という威嚇的な鳴き声が聞こえたので妻が外に出てみると、スーさんはやられていた。スーさんは喧嘩にそう強くはないのだ。

しかし、興奮したスーさんは助けに来た妻にガブッと噛み付き、前回の日記に書いたように、妻はズボンに穴が開くほど咬まれて、血がダラダラ流れていた。

初めて会ったスーさんは興奮して全身の毛がモフーッとなって、ちょっとブサイクだった。

それにしても、そんなことが起こってるのに義父や義母は「まあよくあることですよ」という感じで、平気な顔していたのがちょっと笑えた。

スーさんはみんながご飯を食べていると「何かくれよ」とやって来た。
病気のせいで(晩年は歯も悪くして)専用のペットフードを食べていたのだが、スーさん的にはそれは好みではなかったらしく、「肉くれよ。肉。」と迫ってくるのだ。

このときの、スーさんが座っている僕の足に乗るときの、あのズシリとした感覚は今でも覚えている。

しかし、スーさんは年を追うごとに痩せていき、色も白くなっていった。ひざに乗るスーさんがだんだんと軽くなっていった。