音楽

最近バッハのシャコンヌばかり聴いているが、そのちょっと前はベートーヴェンピアノソナタ31番の最終楽章ばかり聴いていた。

"嘆きの歌"と呼ばれる部分から歌うようなフーガへと移り行き、そしてまた"嘆きの歌"が回帰しつつも最後はその悲しみを拭い去ろうつするかのようなクライマックスを迎えるこの曲を自分が持っているCD、たとえばシュナーベルリヒテル、グールドなどの演奏で聴きまくっていた。

ダイナミックなリヒテルの演奏もすごいが、鋭く切り込んでいくグールドの、特にフーガのポリフォニックな歌は素敵だ。

でも今回一番感動したのはウィルヘルム・ケンプの演奏だった。
初めて聞いたときは何だか地味でお爺さんぽい演奏だなと思っていたが、何度も聴いているうちにいつの間にか引き込まれている。

成熟とか円熟とかそういう簡単な言葉では片付けたくない、深い世界があった。

ベートーヴェン:Pソナタ全集

ベートーヴェン:Pソナタ全集