寂しい・・・

南の国(日本国内だけど)から帰ってきました。

といってもツバメではなく、どうしても一週間後に片付けねば(クリアせねば)ならない用事があって、僕一人、南の国から帰ってきました。

妻とぼっちゃんは、妻の実家のある暖かい土地。僕は九州なのに豪雪地帯のこの土地。

久しぶりにぼっちゃんがいない一人きりの夜は寂しかった。寒いし・・・。


出発するときに冷蔵庫の中身をあらかた処分したので、帰ってきても家に食べるものが何も無いという状況もかなり寂しい・・・。

玄米がすこし残っている。あとで野菜を買いに行こう。


宮崎はほんとうに暖かかった。行く前は、コートとか持っていったほうがいいかな?なんて思っていたけど、はっきりいって、半袖でも(僕は)大丈夫だった。

でも宮崎のひとたちは何故かジャンバーやコートを着ていた。


ぼっちゃんのウンコやオシッコで、気が付くともうお昼・・・という日々が続いたが、その中でぼっちゃんを腕に抱えながらパラパラと澁澤龍彦の『三島由紀夫おぼえがき』(中公文庫)をめくっていると、最後に三島と会った時のことを回想する文章があった。(最近、どうしてこんな本を読んでいるんだろう、と思ったいたら、昨日は三島氏の命日だ)

この本は学生時代に買ったものだが、当時はあまり真面目に読んでいなかったのかもしれない。今の歳になって再読してみて、こんなことが書いてあったのかと、感慨も深い。

この本は三島由紀夫論、というジャンルにはいるかもしれないが、そういう堅苦しいジャンルにあてはめなくても、深く親交のあった友人からみた三島本人の姿が、ときに生々しく、ときにホロリとくるような筆致で描かれている。同時収録の泉鏡花稲垣足穂についての澁澤/三島の対談も興味深い。

閑話休題。その日は自分達がヨーロッパに旅立つという日で、三島由紀夫が空港まで見送りにきてくれたという。

しかも空港のロビーに現われた氏は真っ白な「盾の会」の制服制帽で、いやが上にも人目を惹き、私たちを存分に楽しませてくれた。(P.73)

だが、このとき澁澤本人は水割りを飲んですっかり出来上がってしまっていて、申告や税関のことを細かく教えてくれる三島の話をうんうんとうなずくだけで、ほとんど聞いていなかったらしい。

・・・十一月の初旬、ふたたび日本へと帰着したのである。そして帰着後は、ついに三島氏とお目にかかる機会を逸してしまった、永久に!羽田の空港での別れの握手、あれが最後の握手になろうとは・・・(p.74)

なんだか、せつないなぁ・・・。最近、こういう話に弱い。ぼっちゃん効果か?っていうか、こんなこと書いてる場合じゃない。