夏バテ

夏バテ

先週、熱を出してわかったことは、熱を出しての育児というのはこうやって文字で書くのとは比べ物にならないぐらい大変だということだ。僕の場合は昼から妻に休みをとってもらったからいいものの、同じ状況で同じ選択肢が使えない人もたくさんいるのだろうな。

まぁ、熱出さないように気をつけろと言われればそれまでなんだが。

しかし、どうもノドが変だな、と思ったらササッとのど飴を買いに行くということすらままならないというのが、あらためて今の自分の状況がどういうものかということを教えてくれた気がする。別にそこでのど飴をゲットできていれば熱は出なかったというわけではないだろうけど、一つの比喩として。

ぼっちゃんは日に日にその移動能力を増していく。
いつのもまにかハイハイもお手のもの。もはや今では「つかまり立ち」プラス「ジワジワ移動」でいつの間にか足元に迫ってくる。

かまり立ちも、座った姿勢から立ち、そしてもう一度座り、さらにもう一度立ち上がるというスクワットのような動きを誇らしげに見せる。

と思っていたらもう片手つかまり立ち。

本棚の一番下を雑誌や通販カタログなどを一時的に置く場所にしていたら、もうぼっちゃんの格好の餌食。ズルズルと雑誌やカタログが引きずり出され、ぼっちゃんの口の中へ・・・。

そうか、ものを掴む力も強くなったのだな。
などと思っていると電子ピアノの下にぶら下げてあるヘッドフォンをいつのまにか手にしてテーブルにつかまり立ち。
しかし、そのうちヘッドフォンのコードが足に絡まって動けなくなっているぼっちゃん。


昼食はオクラとベーコンのぺペロンチーノ。

午後からはテレビをつける「探偵!ナイトスクープ」の2006年度アカデミー賞という番組(総集編&ベスト版のようなもの)があっていたので思わず見てしまう。

あまりのばかばかしさ、登場するキャラクターの強烈さに笑いすぎて涙がでてしまう。
泣きながら笑いころげている父親の姿を見るぼっちゃんの目はすこし冷たかった。

ぼっちゃんを抱っこ寝させて、しばらく中断していた『カラマーゾフの兄弟』の続きを読む。


夕飯は遅くなってしまって11時ごろ食べた。ぼっちゃんを寝かしつけていたら、僕も妻も一緒に眠りこけてしまったからだ。

今日の夕飯は鶏肉とピーマンを焼いたもの、満願寺とうがらし(辛くないデカイとうがらし)を焼いたもの、しいたけと豆腐の味噌汁。




梨木香歩さんが紫式部賞を受賞したという話を妻から教えてもらった。

受賞作は『沼地のある森を抜けて』ISBN:4104299057、僕はまだ未読だが、どうも先祖代々伝わる「ぬか床」の話らしい・・・ぬか床・・・。

先日読了して深く感銘をうけた『家守綺譚』ISBN:4104299030、どこかほの暗い、まるで異国譚のような、かつて存在したがもはや存在しない日本を描いたものだった。

それでいてノスタルジックな感傷に流されず、光と闇と現実と非現実が混沌しつつ凛とした秩序をなしているような世界(それは今までの作品の根底に流れているものであるだろう)が四季の風景と花や植物とともに展開していく様は、何だか読んでるこちらまで遠く旅してきたような読後感だった。

それにしても、川上弘美さんや梨木香歩さんの小説を読んでいつも思うのは、作家というのはすごいなぁ、ということだ。どうしてこんなに植物や日本語を知っているのだろう。