一瞬

ぼっちゃんが一瞬、立った。

妻が座っている椅子の所まで行き、膝によじ登り、妻がメールを打っている途中の携帯を略奪したその拍子に。

ぼっちゃんはゲットした携帯に夢中で気づいてなかったけど。


きのうから妻の友人夫婦が福岡から遊びに来ていた。
ぼっちゃんも人見知りすることなく見事なホストぶり。やっぱり毎日お風呂でいろんなおばちゃんやお姉さんに抱っこしてもらっているとちがうのかもしれない。

とりあえずお風呂に一緒にいって、今日の目的の焼き鳥屋へ。
しかし残念ながら満席で入れず。

半分諦めでもう一軒のお店へ。
そこは美味しいし町でも人気の店なので入れなくてもともとと思っていたけど、ちょうど団体客が帰る頃だったので思いがけず座席ゲット。

帰り際にそのお客さんたちがすれちがいざま、ぼっちゃんに「空いたから座んなさい」と声をかけてくれる。さすがぼっちゃん。

福岡から来たのは妻の高校時代の同級生なので、妻の同級生の話などを聞く。なにげに、みな結婚したり子どもができたり、いろいろだ。


明けて今日、友人夫婦は台風がひどくならないうちに福岡へ帰っていった。
そのときに「ハチミツとクローバー」1〜8巻と村上春樹の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を妻が友人に貸していたのを見て、「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」が読みたくなった。
もともと、秋が近づくと読み返したくなる本だけど、ああ、もう秋だな、と思った。
そういえば去年の今ごろ、妻の検診につきあって行った病院の待合室でも読んでいた気がする。
去年のこととは思えないぐらい昔のことのようにも、つい先日のことのようにも思える。