夜中の3時半ごろまで原稿に手を入れて、メールに添付して送って、フトンに入る。
朝が来たらぼっちゃんを保育園につれていかねばならないと思うと複雑な気分だった。
寝顔を見ていたらなんだか切なくなってきた。

妻が職場復帰してからの数ヶ月、よく僕もぼっちゃんも生き残ったな、と思う。

ホッチキス保育園開園の頃のことって、はっきりいってほとんど憶えていない。
雨の日にスリングにぼっちゃんを入れて傘を差して橋の上から川を眺めたり、途中で眠りこけたぼっちゃんを抱えて帰ったり、真夏の午後、抱っこして寝かしつけている間にTシャツの色が変わるほど汗だくになったり、子育て者の集まりで居場所が無かったり、グズるぼっちゃんにもう発狂寸前になったり、そんな断片的な記憶だけがグルグルまわっている。

断片的な記憶といっても、本当にその光景だったり、その時の心のぶれ方の感触の記憶だったりする。


ちょうど一年前の今ぐらいの時間(これを書いている20時半ごろ)、なんだか陣痛かなぁという具合で、だんだんそういう雰囲気が高まってきていたものの、まだ出て来ていなかったぼっちゃんが保育園に行くなんて・・・。

いっそ、やっぱり、三歳ぐらいまでホッチキス保育園を再開しようかとも思ったが、やっぱりそういうわけにもいかないのだろう。


初日なので連れて行く僕のほうが緊張していたかもしれないが、保母さんにぼっちゃんを預けるとき、ぼっちゃんは意外とけろっとしていた。

そこで僕らはなるべくさりげなく、あっさりと帰ることにした。
うまくいったのだろうか?たぶん?


でも実際、家に帰るとぼっちゃんが脱ぎ散らかしたパジャマやチョッキが床に転がっていて、一人でなんだか切なくなった。

いざ一人になると何も手につかない。

とりあえず、洗濯機をまわして、洗い物を済ませて、家の掃除。


お昼になって、ぼっちゃんが妻と帰宅。最初の数日は馴らしということで昼までなのだ。

・・・どうも、ぼっちゃんは・・・、僕らが帰った後、ずっと大泣きだったらしい・・。

あまりにぼっちゃんのキャラに合っていたので、すこし安心した。