保育園の連絡帳に「以前はおもちゃをとられるとそのままだったけれど、今日はお友達と取り合いをしたりして、たくましく思いました」と書かれたぼっちゃん(もう鼻水も止まりました)は、家でもイヤなものはイヤと、はっきり態度で示すようになってきた。身体をそらせてフンギーと怒るぼっちゃん。


昼から携帯電話の機種変更をしに山を降りることにした。

ドコモポイントの2500ポイントだかなんだかが今月いっぱいで失効してしまうらしい。それはもったいないということで、前々からの懸案であった妻の携帯電話の機種変更をしようということになったのだ。

ぼっちゃんと暮らしていると、こんなときに動画をサッととって送れたらいいなぁと思うようになり、なおかつ、もはや現在のドコモの携帯電話はほとんどがFOMAなので、これはもうFOMAの携帯電話にしよう、なおかつ、ひとりだけFOMAなのも意味が無いのでいっそふたりともFOMAに機種変更しようと思っていたのだが、これがなかなか難しい。もちろん、今は番号そのままで他の会社という選択肢もあるのだが、僕らの住んでいる山奥になると、ドコモ以外はちと厳しいようである。しかし、そもそもFOMAって何だ?

いざとなると、自分たちのことだからこれからもまた何年も使うだろうと思う(僕も数年前に機種変更するまでに6年間同じ携帯電話を使った)と、なかなか決心がつかない。

前もってカタログでこれが良かろうと思ったSINPURE N(僕)、SINPURE N1(妻)を前にして、店頭であと一歩というところで躊躇してしまった。


SINPURE Nはシンプルで、小さくて軽くて、色も赤で、それだけみればもう文句はないのだが、あまりにも機能がなさすぎる気がした。
確かに、電話が出来て、メールが出来ればそれでこと足りる(そもそもそういう機能だけに絞った機種らしい)のだが、資本主義の渦にもはや巻き込まれた僕は、やっぱりちょっとは音楽が聞けたり、写真がとれたりしたほうが楽しいかなぁと思ってしまった。

あともうひとつ候補にあがったシャープの702iDというものは、そもそももうお店にはなかった。お店には新発売のものしかないようだ。確かに発売されたのは去年だけど、古いものもおいておけばいいのにと思うのだが、世の中は「最新機種」をちゅうしんに動いているのだ。


それにしてもこうして携帯電話のことを考えるのは数年ぶりだから目がチカチカする。

結局、妻はSO703iSH703iに心移りしたところで時間切れ。機種変更は次回ということでぼっちゃんを迎えに行く。


うちに帰って自分の今使っている携帯電話の取扱説明書を見ると、どうも今使っているものでも音楽が聴けるらしい。
ただ、普通にパソコンに入っている音楽はMP3という形式で保存されていて、これはかなり一般的な形式なのらしいが、ソニー・エリクソンの携帯電話でこれを聴くためにはソニー独自のATRAC3という形式に変換しないといけないらしい。

いろいろと手順をネットで調べて、さて、ではまずメモリースティックをフォーマットしなきゃ・・・と思うと暗証番号を入れろと指示が。
暗証番号・・・って何だっけ?たしか最初は0000で設定してあるんだよなと思って0000とするが「違います」と言われた。とすると、いつか自分で変えたんだな。
いろいろ、自分や妻の生年月日、銀行の暗証番号、結婚記念日など、とにかくいろんな日付の数字を何通りも組み合わせてやってみたが、だめだった。


「携帯電話の暗証番号って、ドコモに聞いたら教えてくれるのかな?」と思って何の気なしに「携帯電話 暗証番号」と入力して検索すると、「携帯電話の暗証番号解読します!」「解読マシンのレンタル24時間OK!」「浮気と思ったら後一報!いつでも暗証番号解読!」「ただし違法不可!」などゾロゾロと探偵っぽいもの(?)が出てきた。

ふつうにドコモのページに繋がるだろうと思っていたら、思いがけずこの世の闇をのぞいてしまった気分だ。世の中のひとはこんなにも他人の携帯電話の暗証番号を解読したがっているものなのだろうか。


書き終わってみると、今回はホッチキスカンガルーにしてはかなりハイテクな話だった気がする。