水ぼうそうとチャンドラー

水疱瘡のぼっちゃん。
あいかわらず元気だが、なんとなく水泡が地味なペースではあるが増えているような気がする。

しかし、そんなことはまったく気にせず、ひたすら家の周りを歩き回るぼっちゃん。近所の神社まで散歩してもケロッとしているが、神社には小さい子がいたし、どうも御宮参りの家族連れがちょうど本殿の中にいたようなので、ぼっちゃんを抱えて早々に立ち去る。水疱瘡は感染力が強いらしいのだ。


ぼっちゃんが昼寝したすきに押入れの中をゴソゴソと本を探す。
あった。レイモンド・チャンドラーの“The Long Goodbye”の清水俊二訳『長いお別れ』。

最近、村上春樹の新訳『ロング・グッドバイ』が店頭に並んでいるのを見かけたが、あまりの大きさ(ぶ厚さ)にひるんでしまい、買うのを迷っていた。

でも、そういえば古い訳のほうを持っていた気がするので探してみたら、やっぱりあった。
どこかで読んだレビューによれば、この清水訳は完全な訳ではない(カットされた部分がある)し、一部、意訳しすぎて誤訳ギリギリな部分もあるが、映画字幕の仕事をしている著者だけのことはあって、セリフのテンポや雰囲気は村上訳よりもしっくり(何がしっくりなんだ?)くる部分があるそうだ。

もちろん、完璧な翻訳というものはありえない(たぶん)から、いずれの訳も一長一短というところだろう。

むかし、大学時代に読んだときはハードボイルドというジャンルの代表作として読んだ。そのときは冒頭と最後のマーロウとテリー・レノックスの2人のシーンがすごく印象的だったけれど、「これがハードボイルドというものか。よくわからん。」という印象が大きかった。

今も昔もハードボイルドな人間どころか、かなり軟弱な人間なのでことさらそう思ったのかもしれない。

でも、そういう「ジャンルがどうのこうの」という文脈を離れて久しぶりに読み返してみると、マーロウという人物の優しさとか強さとか、クールさが妙に心を打つ。
今になって読むと、まさに村上春樹的世界というか、翻訳された春樹作品を再び日本語に訳したような、不思議なデジャ・ヴ感に似たものを感じる。やたらとコーヒーを飲むシーンがあるし、そういうところを読むとやっぱりコーヒーが飲みたくなる。


はてなダイアリーの「人気の記事」のなかで紹介されている

YouTube との連携で生まれた極めつけの Mashup ベスト15 - オンライン快適仕事術
のページもさることながら、

「あなたにぴったりの音楽探します」Music 検索の最前線 - オンライン快適仕事術
の内容にもビックリだ。


そこで紹介されている
Musicovery B2B
はさまざまなジャンルから明るい曲、暗い曲、元気な曲、静かな曲という大雑把なくくりで選択すれば、あとはダラダラとその選んだ傾向の曲が流れてくるというわけだ。年代なんかも選べるようだ。HiFiのいい音で聞くには有料となるようだが、普通にLoFiだと無料でいくらでも聴けるらしい。

しかし、こんなことをしていったい誰が儲かるのだろう?
結局、視聴サーヴィスという位置づけで、気に入ったらアルバムをアマゾンやitunesで買う人がいたりして、意外と利益があがるような仕組みなのだろうか。
う〜ん、わからん。


今日もぼっちゃんで日が暮れた。