デカすぎ。

学会から明けて18日、飛行機の時間は3時55分。さて、それまでどう時間をつぶそうか・・・。

以前、妻の友人が行ったというカウ・ブックスの支店が、青山通りと表参道の交差点のあたりにあるらしい(妻に電話で教えてもらった)ので、ホテルのある新宿からも近いことだし、とりあえず行ってみることにした。

原宿駅について、すぐ近くにある地下鉄表参道駅のコインロッカーに荷物を預け、再び地上に出る。そして、今までに何度か東京には来たことがあったが、その度に電車の窓からなんだか気になってた妙に木がうっそうと茂った地域―つまり明治神宮のことだけれども―に初めて足を踏み入れた。

明らかに気温が下がる。もちろん、アスファルトじゃないんだから気温も下がるさと言ってしまえばそれまでだが、やっぱり空気が違う。

聞くところによると、明治神宮の森は人口の森らしいが、それにしてもやっぱり不思議だ。


妻に「森美術館みてきて」と言われたので、明治神宮を後にして六本木ヒルズに向かう。地図でみると、なんだか歩いていけそうなので、とりあえず歩き出す。途中、よくわからなくなって青山学院大学の方に行ってしまったが、途中の青山ブックセンター人文書をながめながら東京マップを見てみると、あきらかに方向が違うみたい。気をとりなおして来た道をもどり、青山通りを渡ってズンズン進む。ブランドショップが立ち並ぶ青山の道を、九州からやってきたおのぼりさんがズンズン進む。


すると、根津美術館を過ぎたあたりでそれらしきものが見えてきた。でも、ここからがけっこうあって、見えてるのになかなかたどり着けないカフカ的状況。そのうち建物も見えなくなってくる。
それでもなんとか無事到着。エスカレーターを上って敷地内に入り、振り返るとトンネルが見える。そういえばさっき地図を見て、青山墓地の近くを通ることがわかったが、そのとき思ったのが、『闇の検証―霊能者・寺尾玲子の新都市伝説 』シリーズで触れられた六本木トンネルを通るのはやだなぁ、ということだった。
そのどうも目の前にあるのがそのトンネルのようだ。そんなこと考えるとちょっと不気味。


六本木ヒルズは、首から名札をぶら下げた人たちがたくさんいた。その人たちはときどき英語をしゃべっている。なんだかあまり現実感のない空間だった。

来た道を戻り、カウ・ブックスへ。う〜ん、ここか〜と思いつつ、本棚を物色。数は決して多くはないが、なかなかの品揃え。値段設定がすこし高い気がしたが、同じく店内にいたおしゃれさんカップルがどしどし買っていた。
置いてある本の傾向と、いまの自分の傾向がすこし合わなかったので何とも言えないが、こういう古本屋がおしゃれさんたちの心をつかんでいるというそのこと自体はすごいことだと思う。ただ、自分の本との関わり方とはすこしちがうなぁと、はかない違和感を感じつつ、併設してあるカフェでランチを食べ終わるともうすぐ2時になるかという頃。地下鉄でふたたび表参道まで戻り、コインロッカーから荷物を取り出し、原宿から品川まで行って、京急に乗り換え羽田まで。
今回はモノレールからの東京の風景を見ることができなかったのが残念。あの風景こそ僕にとっては東京なのだが。