日曜日(21日)、この人生はじめてのフリマ出店。といっても、前の日の夜12時頃から準備(「一箱古本市」宜しく、うちにある雑誌にバックナンバーや、重複してある本、もう読まないだろうなという本を出品。)を始める。当日は日程が重なった地域のお祭りにぼっちゃんの保育園が踊りで出るので、そちらのほうへぼっちゃんを連れて行ったりなんだりで午前中はほとんど開店休業。(午後からも走り回るぼっちゃんの相手でほとんど店にはいなかった。)

美術館の中庭を使っているので、一応は「アート・フリマ」と銘打たれてはいるが、特にアートという言葉にこだわらず、花屋さんや、ゴミ処理施設から拾ってきた中古カメラや、学校の元備品であろう世界地図を売る人、手作りシルバー・アクセサリー、手作りナイロンたわし(洗剤がいらないらしい)、消しゴム判子を使った手ぬぐい、かなり可愛い手作り子供服、うちのようなインチキ古本屋など、さまざま。

ちなみに、子供服があまりに可愛すぎて、おもわずぼっちゃん用のコートを買ってしまった。

知人の現代美作家たちも、自身の持ち味を生かしたお面屋、的当てゲーム屋、凧あげ屋などを出店。時間帯によっては、立ち寄った観光客の若い女の子たちや、近所の子どもたちで大賑わい。

主催者側も「3時過ぎごろから閑散としちゃうだろうな・・・」と予想していたが、それがどうだろう、時間ギリギリの5時ぐらいまで人の賑わいの絶えることなく、大盛況のうちに終わった。どの店の人も「来年もまた来たい」と言ってくれたらしいので、これが定着すると、また美術館の存在意義も認知度も、また新たな面を持つことになるだろう。もちろん良い意味で。

でも、明らかに美術館を取り巻く雰囲気や空気が変わったと思う。


前日の土曜日は、用事でフリマに出店できない人が前夜祭をやりたいというので、知人の家に集まって鍋大会&最近凝っているという手打ちうどん大会。

が、肝心のうどん生地を持ってくるという人がなかなかこないので、鍋をつつきながらダラダラとみんなで無駄話。ずいぶんみんな酒が入ってきた頃にうどん生地到着。

福岡からやはりフリマ出店のためにきた妻の友人夫婦のダンナと僕で、生地をパスタマシンで延ばしたり切ったりして製麺し、交代で茹でる。やはりみんなに2人は似ているといわれた。ちなみに名前も似ている。

思いのほか(失礼)美味しくてみんな半狂乱。


そういえば、フリマで出店した古本屋では7冊売れた。ほとんど知り合いが買っていったけど・・・。売れた本は以下の通り。オール100円の値段設定だったので売上総額700円也。

大友克彦『童夢
つげ義春つげ義春とぼく』
荒木経惟『天才アラーキー写真ノ時間』
舞城王太郎阿修羅ガール
寺田寅彦寺田寅彦随筆集 第2巻』
『城なんでも入門』(日本中の名城のすごさをイラストで解説)
『美術手帳』のバックナンバー(ブーランクーシの特集)

やっぱりというか、そんなものか、というか「この本、売ってたら買うな」と思うような本が売れ、「なくなってくれないかな」と思った本は売れ残った。
フリマというものにはじめて出品して思ったのは、もちろんたくさん売れてくれたらそれはそれで嬉しいけど、「これください」と本を差し出されたときに、「あっ、その本の良さをわかってくれるのですね・・・」という数少ない同士にめぐり合ったような感慨こそが一番の喜びのような気がする。とくに寺田寅彦の文庫本をベビーカーを押したどこかのお母さんが買ってくれたときはすごくうれしかった。

そういうわけで、今回は準備も時間もたりなかったけど、次回に向けて古本屋の100均をこまめに覗いて、いい「本棚」を作ろうと思う。目標は「町で唯一ちくま文庫岩波文庫が買える店(古本だけど・・・)」だ。