今日は検診の日だったので産婦人科へ。妻の順番を待っているあいだ、わたせせいぞうの「ハートカクテル」を読む。

不覚・・・不覚にも涙が出そうになった。長い間、わたせせいぞうを誤解していたかも。すごく誠実で、いい人なのではないだろうか?もちろん、誠実でいい人だったら何でも許されるわけではないのだが。

J・プレスのツイードジャケット、ペリカンの#500(万年筆)、ラルフ・ローレンのリネン・スーツ・・・。すべてが懐かしく、そして優しく、遠い。そう、きっとこの「優しさ」なのだ。無臭でクリーンで嫌味がない画風とか、そんな批評めいたことはどうでも良くて、懐かしいまでに彼の作品は「優しい」。ただ、今の時代がそのような優しさを求めているのかというと、僕は何一つ自信をもって答えることはできない。

でも、そのことこそが、僕が、涙したreason。

ハートカクテル (1) (講談社漫画文庫)

ハートカクテル (1) (講談社漫画文庫)