あけましておめでとうございます。
昨年一年の総括もなにもせぬまま新年を迎えました。

もちろん、元旦から出勤です。きのうは雪が降る中を一人で南国から帰ってきました。
やっぱり北国は寒いですね。

なんというか・・・こういう業界にいると、もう元旦とかお盆とか、あまり意味がない。
むしろ、そういうときこそ忙しい業界だから、ハレもケもない日常の延長のようだ。

ところで突然だが、昨年(2009年)読んだマンガベスト1は、もうギリギリまで「あずまんが大王」だったけど、土壇場でこの作品がダントツ一位になった。

皇国の守護者 1 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 1 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 2 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 2 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 3 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 3 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 4 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 4 (ヤングジャンプコミックス)

皇国の守護者 5 (5) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)

皇国の守護者 5 (5) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)

昨年の作品というわけではないのだが、とにかくはまってしまった。人間と竜が契約を交わす世界。日本でいえば大正時代?ぐらいの文明を持つ「皇国」と、彼らを「蛮族」と呼び侵略してきた北の大国「帝国」との戦争。サーベルタイガーを率いる軍隊。一見、ファンタジーっぽいけど、ぜんぜん甘くない。とにかくいろんなものが熱い。
たとえば、自国の村を焼き、井戸に毒を投げ入れることで、追ってくる敵軍を足止めしようとする主人公にたいして部下が「汚い。そこまでして戦わねばならんのですか」と 問う場面で主人公の新城直衛はこう答える。

ならば、ありとあらゆる道徳を守って勇敢に戦うとでも?
半日後には、みんな揃って討死にだ。そんな運命、少なくとも僕は御免こうむる。
死して無能な護国の鬼となるより、生きて姑息な弱兵と誹られたほうが好みだ。
どのみち地獄に落ちるにしても、せめてものこと、納得だけはしていたい。

なんか、これだけ読むと主人公がひどい奴っぽいんですけど、自らの偽善を自覚しながら、ときに恐怖と自己嫌悪なかでひたすら生きる(自分もそして部下も)ために戦いつづけます。

基本的に北方地域が侵略されたという話なので、作中、ずーーっと雪のなか。これもなんだか読んでて寂しく、つらくなってくる。あと、「援軍が来たぞ!」的な大逆転カタルシスも一切なし。愛国心だとか正々堂々とか義の心とか使命感とか、とにかくそういう大上段の正論やら奇麗ごと言う奴らにうんざりしている人は楽しめると思います。

僕もちょっと泣いてしまいました。疲れているのでしょうか?