さて年度末。朝から電卓でお金の計算をして、金融機関をバタバタとまわる。
手帳を見ると、まさに去年の今日の午前中に面接をして、その3日後からいまの仕事場にいる。やっと一年なのか、もう一年なのかはわからないが、とりあえずは・・・一年だ。

一年前は、サラリーマン生活も、今度の4月からの非常勤のことも、まさかこんなことが自分に起こるとは思わなかったが、なにはともあれ、ひきこもりニートからの社会復帰の一年だった。

なにより、本を定価で買えるというのがうれしい。最初の一ヶ月、はじめての給料であれを買おう、これを買おうといろいろと想像を膨らませたが、結局それらを買うことも無かった。サラリーマンなのにスーツすら買ってない。(休みがなくて使う暇も無いというのもあるのだが・・・)

なんだか若い頃にあった「どうしても欲しい!」という感情が最近とくになくなっている気がする。その対象はスーツだったりシャツだったり、オーディオだったり、何でもいいのだが、「今欲しいものは?」と聞かれると、かなり答えに困る。今の生活に満たされているから、などというベタな話はどうでもよくて、満たされているわけではないのだが、その満たされなさは物を買うことでは満たされないということがわかりすぎるぐらいにわかってしまうほどに歳をとってしまったということか。

食べ物でたとえると、夕食にもう必ずしも揚げ物は必要ない、そんな感じだろうか。

ただ、これは老成とか、成熟とかという言葉よりも、「劣化」という言葉のほうがあっている気がする。

欲しいものに話をもどすと、しいていえば、本を読む時間をもう少し、というところだろうか。あと、何か希望がかなうとすれば、何かを手に入れるという方向性よりも、逆に、いろいろ取り去って欲しいものがある。たとえば感情とか。感情が無ければもっといろんなことがスムーズに進むと思うのだが。

しかしそれは、逆に言えばもっと感情を押さえつける強さとか、感情に流されない強さとかしたたかさが欲しいということになる気がする。

「非人情」な人間になりたい。