ついに、かねてからの懸案事項にとりかかった。それは、実家の仏壇の処分。
そろそろ本当に、空き家となっている実家をどうにかしなければならない。家具や電気製品その他はすべて処分することにした。不動産屋によれば、とにかく必要なものだけ持ち出しておけばあとは業者がすべて処分してくれるらしい。
とはいえ、実家の何もかも処分すると決めたので改めて「必要なもの」と言われても困ったのだが、結局持ち出したのはアルバム類だった。あと、探索途中に小学校の頃の絵が出てきたことはご愛嬌。父の中学校のときの卒業アルバムも出てきた。自分と同じ顔をした人間がセピア色の写真のなかからこちらを見つめている。

近所の仏壇屋に電話してみる。ダメもとで「今日引取りに来てもらえないか?」と頼んでみると、「いま男手が自分ひとりしかいないので、手伝ってくれるのであれば」という条件で早速来てもらった。慣れた感じであれよあれよと作業はすすんでいく。
処分といっても、あくまで「仏壇本体とそれに付属する諸々」だけなので、位牌やご本尊の仏像などはもちろん対象外。
思えば物心ついたころから家にあった仏壇で、子どもの頃はやたらとキンピカでデカイなぁと思っていたが、軽トラの荷台に積まれた仏壇は小さく見えた。こういう処分される仏壇が5、6台集まったところでそのつどまとめてお炊き上げするのだという。うちのでいま5台目だそうだ。費用はお炊き上げのお布施代込み四万五千円。値段はサイズで異なる。うちの場合、幅二尺、高さ五尺の仏壇(仏壇業界では今でも尺換算)だったのでこの値段だった。仏壇を処分するなんて生まれて初めてだったので、安いのか高いのかわからないが、仏壇さん、今までありがとうございました。